スヌーピーの名言でよく知られているのが、「配られたカードで勝負するしかないのさ」や「幸せはあったかい子犬」です。
ただ、ネットで「スヌーピーの名言」として広まっている言葉の中には、原作のコミックに見当たらず、あとからスヌーピーの絵に添えられただけのものも少なくありません。
スヌーピーの名言は英語原文と日本語訳だけでなく、誰の台詞か・どのコミックに由来するかを確認すると、言葉のニュアンスと作品らしさを正確に味わえます。
チャールズ・M・シュルツのコミック『ピーナッツ』に出てくる言葉には英語の原文と掲載日をそえ、誤って広まった名言の見分け方も示しています。
この記事のポイント
- 「配られたカードで勝負するしかないのさ」は、ルーシーに答えるスヌーピーの言葉
- 「幸せはあったかい子犬」は1960年のルーシーの言葉
- 「大切なのは、僕を大切にしてくれる人」は原作に見当たらない
- 日本語訳は、詩人の谷川俊太郎さんが半世紀以上手がけてきた
スヌーピーの名言一覧
この記事で紹介する主な名言を、英語の原文と発言したキャラクターつきで一覧にします。
| 名言 | 英語の原文 | キャラクター |
|---|---|---|
| 配られたカードで勝負するしかないのさ | You play with the cards you're dealt | スヌーピー |
| 幸せはあったかい子犬 | Happiness is a warm puppy. | ルーシー |
| 昨日も犬、今日も犬、明日もたぶん犬 | Yesterday I was a dog. Today I'm a dog. | スヌーピー |
| 暗い嵐の夜だった | It was a dark and stormy night... | スヌーピー |
| 人類は愛してる、我慢できないのは人間なんだ | I love mankind... it's people I can't stand!! | ライナス |
| なぜ僕なんだ? | Why me? | チャーリー・ブラウン |
スヌーピーとピーナッツとは
スヌーピーが登場する『ピーナッツ』は、アメリカの漫画家チャールズ・M・シュルツが1950年10月2日から2000年2月13日まで新聞に連載したコミックです。
7紙で始まった連載は、最も多いときで75か国、2,600紙以上に広がり、約50年で17,897作が描かれました。
スヌーピーは連載開始の2日後、1950年10月4日に初めて登場し、最初はふつうの四本足の犬でしたが、やがて二本足で歩き、小説を書くほど個性的なキャラクターになっていきます。
日本では詩人の谷川俊太郎さんが半世紀以上にわたって翻訳を続け、2020年に『完全版 ピーナッツ全集』で全作品の翻訳を終えました(参考:スヌーピー公式サイト)。
谷川俊太郎さんが全作品を訳した『完全版 ピーナッツ全集』は、英語の原文と日本語訳の両方で、名言が出てくるコミックの流れごと楽しめます。
\ 谷川俊太郎訳で味わう /
スヌーピーの名言
犬でありながら哲学者のように考えるスヌーピーの言葉には、とぼけた中にも深みがあります。
配られたカードで勝負するしかないのさ
ルーシーに「どうして犬なんかでいられるの?」と聞かれたスヌーピーが、心の中で返した言葉です。
原文は「You play with the cards you're dealt... whatever that means.」で、谷川俊太郎さんの訳では「それがどういう意味であれ」と続きます。
自分の生まれや境遇は選べないけれど、その中で精一杯やるしかないという考え方で、最後に「どういう意味であれ」ととぼけるところが、スヌーピーらしいところです。
昨日も犬、今日も犬、明日もたぶん犬
1958年2月15日のコミックで、スヌーピーがため息をつきながらつぶやく言葉です。
原文は「Yesterday I was a dog. Today I'm a dog. Tomorrow I'll probably still be a dog.」で、このあと「出世の見込みがほとんどない」と嘆きます。
変わりばえしない毎日へのぼやきを、犬の立場から笑いに変えた、思わずくすっとする言葉です。
暗い嵐の夜だった
1965年7月12日のコミックで初めて登場した、犬小屋の屋根でタイプライターに向かうスヌーピーが、小説を書き始めるときの決まり文句です。
原文は「It was a dark and stormy night...」で、いつも同じ書き出しから進まないところが、作家にあこがれるスヌーピーのかわいらしさになっています。
仲間たちの名言
チャーリー・ブラウンやライナス、ルーシーの言葉には、大人にも響く人生の悩みやユーモアが詰まっています。
幸せはあったかい子犬(ルーシー)
1960年4月25日のコミックで、ルーシーがスヌーピーを抱きしめて言う言葉で、原文は「Happiness is a warm puppy.」です。
幸せは遠くにあるものではなく、目の前の小さなぬくもりの中にあるという言葉で、1962年にはシュルツがこの言葉を題名にした本を出し、ベストセラーになりました。
人類は愛してる、我慢できないのは人間なんだ(ライナス)
1959年11月12日のコミックで、ルーシーにからかわれたライナスが言い返す言葉です。
原文は「I love mankind... it's people I can't stand!!」で、大きな理想と、身近な人づきあいの難しさとのずれを、子どもの口から鋭く言い当てています。
なぜ僕なんだ?(チャーリー・ブラウン)
1985年3月29日のコミックで、夜眠れずにいるチャーリー・ブラウンが「なぜ僕なんだ?」と問いかける場面です。
すると「個人的な恨みはない、たまたま君の名前が出ただけだ」という声が返ってきて、不運続きのチャーリー・ブラウンらしい、ほろ苦い笑いになっています。
英語の名言をもっと読みたい方は、英語の名言を解説した記事も読んでみてください。
原作で見当たらないスヌーピーの名言
スヌーピーの名言として広まっている言葉の中には、原作のコミックで確認できないものが多くあります。
「大切なのは、僕を大切にしてくれる人の存在だ」
英語では「I don't have time to worry about who doesn't like me. I'm too busy loving the people who love me.」として、スヌーピーの言葉と紹介されることがあります。
しかし、原作のコミックにこの台詞は見当たらず、あとからスヌーピーの絵に添えられて広まった言葉と考えられています。
「昨日から学び、今日を生き、明日を見つめ、午後は休もう」
原文は「Learn from yesterday, live for today, look to tomorrow, rest this afternoon.」で、グッズなどでよく見かけますが、コミックの掲載日は確認されていません。
「今日世界が終わるかもと心配しなくていい、オーストラリアはもう明日だから」も、シュルツ本人の言葉とされることがありますが、記録は見つかっていません。
「まあいいか」「また始められるんだ」
このような言葉は、コミックの中で場面ごとに違う訳で出てくることが多く、決まった名言として掲載日まで確かめることはできませんでした。
スヌーピーの名言を使うときは、英語の原文と掲載日まで確かめられるものを選ぶと安心です。
日本語の訳は本によって言い回しが少しずつ違うので、気に入った言葉は原文とあわせて覚えておくと、ニュアンスを取り違えずにすみます。
スヌーピーの名言に関するよくある質問
「配られたカードで勝負するしかない」の英語は?
「You play with the cards you're dealt... whatever that means.」で、スヌーピーの言葉です。
スヌーピーの短い名言は?
ルーシーの「Happiness is a warm puppy.(幸せはあったかい子犬)」が短くて有名です。
「大切なのは、僕を大切にしてくれる人の存在だ」はスヌーピーの言葉ですか?
原作のコミックには見当たらず、あとから広まった言葉と考えられています。
スヌーピーの日本語訳は誰がしていますか?
詩人の谷川俊太郎さんが半世紀以上にわたって翻訳してきました。
スヌーピーの名言まとめ
スヌーピーの名言は英語原文と日本語訳だけでなく、誰の台詞か・どのコミックに由来するかを確認すると、言葉のニュアンスと作品らしさを正確に味わえます。
原作の言葉には、うまくいかない毎日をユーモアで受け止める、ピーナッツらしいやさしさがあります。
一方で、原作にない自己啓発の言葉がスヌーピーの名前で広まっている例も多くあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、スヌーピーの「配られたカードで勝負するしかないのさ」です。
気になった言葉は、コミックの4コマに戻って、前後のやりとりごと味わってみてください。