ビートたけしの名言として広まっている言葉には、「やれば出来る、こんな言葉に騙されるな」のような、常識をひっくり返す言葉があります。
ただ、この言葉は出典が確かめられておらず、「才能がない奴は努力しても成功しない」も元の言葉から意味が変わって広まりました。
ビートたけしの名言は、ネットで広まった一言だけでなく、北野武として書いた著書の中で語られた言葉を出典つきで読むと、厳しさの奥にある人間へのまなざしと、本人の考え方が正しく伝わります。
この記事では、『新しい道徳』『バカ論』『間抜けの構造』などの著書に残るビートたけしの言葉を、努力・勉強・人生・生き方のテーマ別に紹介し、出典が見つからないまま広まった名言まで解説します。
この記事のポイント
- 「夢なんてかなえなくても、生きて死んでいくだけで人生は大成功」は『新しい道徳』の言葉
- 「残りの一人になる勇気」は『バカ論』で語られた言葉
- 「夢を持て、やれば出来る。こんな言葉に騙されるな」は出典が確かめられていない
- 「才能がない奴は努力しても成功しない」は、元の言葉から意味が変わって広まった
ビートたけしの名言一覧
この記事で紹介する主な言葉を、出典つきで一覧にします。
| 名言 | 出典 | テーマ |
|---|---|---|
| 時代を作る人は、いつだって古い道徳を打ち壊してきた | 『新しい道徳』(2015年) | 生き方 |
| 夢なんてかなえなくても、生きて死んでいくだけで人生は大成功だ | 『新しい道徳』(2015年) | 人生 |
| 九十九人の方ではなく、残りの一人になる勇気が必要 | 『バカ論』(2017年) | 生き方 |
| 一番たちが悪いのは、自分がやっていることがバカだとわかっていないバカ | 『バカ論』(2017年) | 仕事 |
| 勉強するから、何をしたいか分かる | 名言集に収められた言葉 | 勉強 |
ビートたけし(北野武)とは
ビートたけしは、1947年に東京都足立区で生まれたお笑い芸人で、1973年にビートきよしと漫才コンビ「ツービート」を結成し、1980年代の漫才ブームで一躍人気者になりました。
お笑いやテレビの司会では「ビートたけし」、映画監督としては本名の「北野武」の名前を使い分けています。
1989年の『その男、凶暴につき』で映画監督としてデビューし、1997年の『HANA-BI』でヴェネツィア国際映画祭の最高賞である金獅子賞、2003年の『座頭市』で同じ映画祭の監督賞にあたる銀獅子賞を受けました。
1994年にはバイク事故で大けがを負い、生死の境をさまよった経験もあり、その後の作品や言葉には、生と死を見つめるまなざしが表れているとも言われます。
ビートたけしの考え方をまとまった文章で読むなら、自分なりの道徳で生きることを説いた『新しい道徳』がおすすめです。
\ 自分なりの道徳で生きるヒント /
生き方と道徳についての名言
ビートたけしの言葉には、世の中で当たり前とされていることを、まず疑ってみる姿勢が一貫しています。
時代を作る人は、いつだって古い道徳を打ち壊してきた
2015年に幻冬舎から出た『新しい道徳』で語られた言葉で、誰かに押しつけられた道徳ではなく、自分なりの道徳で生きた方がよほど格好いい、という考えが続きます(参考:幻冬舎)。
道徳は時代や都合によって変わるものだからこそ、言われたとおりに従うのではなく、自分の頭で考えて決めることが大切だ、というメッセージです。
九十九人の方ではなく、残りの一人になる勇気が必要
2017年の『バカ論』で語られた言葉で、多数決で決まることをあまり信用しなくてもいい、という考えのあとに続きます。
周りに「お前はバカだ」と言われても、大勢に流されずに自分の考えを持ち続ける勇気が大切だ、という意味です。
人生と死生観についての名言
生死の境をさまよった経験を持つビートたけしの言葉には、人生を大げさに考えすぎない、さっぱりとした強さがあります。
夢なんてかなえなくても、生きて死んでいくだけで人生は大成功だ
『新しい道徳』で語られた言葉で、この世に生まれて、生きて、死んでいくだけで人生は大成功だ、という意味です。
夢を持つことを当たり前のように求められる今の風潮に対して、夢がなくても人生には十分に価値がある、と語りかけています。
孤独じゃない死なんてあるのか
『バカ論』で語られた言葉で、人間はひとりで生まれて、ひとりで死ぬものだろう、と続きます。
孤独を恐れて人に合わせるより、孤独を当たり前のものとして受け入れたほうが、自由に生きられるという考え方が表れています。
努力と勉強についての名言
努力や勉強についての言葉には、甘い励ましではなく、現実を見すえた厳しさがあります。
勉強するから、何をしたいか分かる
名言集『先人の教え×賢人の知恵 日本の名言100』に、ビートたけしの言葉として収められている言葉で、勉強しないから、何をしたいか分からない、と続きます。
やりたいことが見つかってから勉強するのではなく、勉強するからこそ、やりたいことが見えてくる、という意味です。
自分の子供が、何の武器も持っていないことを教えておくのは、ちっとも残酷じゃない
名言集『信念を貫き、粋な人生を歩め ビートたけしの言葉』に収められた言葉で、才能がないことを親が子に伝えるべきだ、という考えから続く言葉です。
向いていない場所で無理に努力を続けるより、早く自分に合った道を探した方がいい、という現実的な考え方が込められています。
努力についての言葉は、「努力は必ず報われる」は誰の名言かを解説した記事でも紹介しています。
仕事とお笑いについての名言
お笑いと映画の両方で第一線に立ち続けてきたビートたけしは、自分を客観的に見る力を重視しています。
一番たちが悪いのは、自分がやっていることがバカだとわかっていないバカ
『バカ論』で語られた言葉で、自分のしていることを客観的に見られない人こそが、いちばん困った存在だ、という意味です。
2012年の『間抜けの構造』でも、間の悪い人に共通しているのは、自分がどんな状況にいるのかを客観的に見られないことだと語っています。
出典が見つからないビートたけしの名言
ビートたけしの名言として紹介される言葉の中には、本人の著書や番組で出典を確かめられないものもあります。
「夢を持て、目的を持て、やれば出来る。こんな言葉に騙されるな」
ビートたけしの名言としてよく紹介されますが、どの著書や番組の言葉かを確かめられる記録は見つかっていません。
『新しい道徳』の「夢なんてかなえなくても」という考え方と似ているため、ビートたけしが言いそうな言葉として広まったと考えられます。
「努力は宝くじのようなものだ」「世界には何十億と女がいる」
どちらもビートたけしの名言として広まっていますが、出典となる著書や番組は確かめられていません。
「才能無い奴はいくら努力しても成功しない」
この言葉は、才能がないことを親が子に教えるのは残酷ではない、という趣旨の言葉が、短く切り取られて広まったものと考えられます。
元の言葉は、向いていない場所での無駄な努力を避けて、自分に合った道を探そうという意味で、努力そのものを否定しているわけではありません。
ビートたけしの名言に関するよくある質問
「夢を持て、やれば出来る。こんな言葉に騙されるな」は本当に言った言葉ですか?
よく紹介されますが、どの著書や番組の言葉かは確かめられていません。
ビートたけしの名言が読める本は?
『新しい道徳』『バカ論』『間抜けの構造』などの著書で、本人の考えを読めます。
ビートたけしと北野武の違いは?
お笑いやテレビでは「ビートたけし」、映画監督としては本名の「北野武」を使い分けています。
ビートたけしの人生についての名言は?
『新しい道徳』の「夢なんてかなえなくても、生きて死んでいくだけで人生は大成功だ」がよく知られています。
ビートたけしの名言まとめ
ビートたけしの名言は、ネットで広まった一言だけでなく、北野武として書いた著書の中で語られた言葉を出典つきで読むと、厳しさの奥にある人間へのまなざしと、本人の考え方が正しく伝わります。
当たり前を疑い、大勢に流されず、自分なりの道徳で生きるという姿勢は、お笑いと映画の両方で道を切り開いてきた本人の生き方そのものです。
一方で、出典が見つからない言葉や、短く切り取られて意味が変わった言葉も、ビートたけしの名で広まっています。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、「夢なんてかなえなくても、生きて死んでいくだけで人生は大成功だ」です。
気になった言葉は、著書にあたって、前後の文章ごと味わってみてください。