ヤン・ウェンリーの「たかだか国家の存亡だ」や、キルヒアイスの「宇宙を手にお入れください」は、銀河英雄伝説の名言として知られています。
ただ、ネットで紹介されている銀英伝の名言には、漢字や言い回しが原作と違っていたり、原作とアニメの台詞が混ざっていたりするものもあります。
銀河英雄伝説の名言は台詞だけを並べるより、発言者・原作の巻やアニメの話数・場面・前後の背景まで確認すると、キャラクターの信念と物語上の意味をより深く理解できます。
ヤンやラインハルトたちの名台詞には、原作の巻名とアニメの話数、言葉が生まれた場面と意味をそえています。
この記事のポイント
- ヤンの「たかだか国家の存亡だ」は原作2巻『野望篇』の言葉
- 「懸かっている」「大した価値」と書く形は、原作の表記と違う
- キルヒアイスの「宇宙を手にお入れください」はOVA第26話の言葉
- オーベルシュタインの「偽善である」は原作最終巻の言葉
※キルヒアイスやオーベルシュタインの最期など、物語の結末にふれる内容を含みます。
銀河英雄伝説の名言一覧
この記事で紹介する主な名言を、発言者と出典つきで一覧にします。
| 名言 | 発言者 | 出典 |
|---|---|---|
| かかっているものは、たかだか国家の存亡だ | ヤン・ウェンリー | 原作2巻『野望篇』・OVA第54話 |
| 政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない | ヤン・ウェンリー | 原作2巻『野望篇』 |
| 星はいい | ラインハルト | OVA第1話 |
| ラインハルト様…宇宙を手にお入れください | キルヒアイス | OVA第26話 |
| 助からぬものを助けるふりをするのは、偽善である | オーベルシュタイン | 原作10巻『落日篇』 |
| ルドルフ大帝以来の詭弁家ですな | シェーンコップ | OVA第6話 |
銀河英雄伝説とは
『銀河英雄伝説』は、田中芳樹さんが1982年から1987年にかけて徳間書店から刊行したSF小説で、本伝は全10巻です。
巻名は『黎明篇』『野望篇』『雌伏篇』『策謀篇』『風雲篇』『飛翔篇』『怒濤篇』『乱離篇』『回天篇』『落日篇』で、現在は東京創元社の創元SF文庫でも読めます。
銀河帝国の若き天才ラインハルトと、自由惑星同盟の「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリーという2人の英雄を中心に、国家と個人、専制と民主主義をめぐる戦いが描かれます。
1988年からのOVA版は本伝110話・外伝52話という大作で、2018年からはProduction I.G制作の『銀河英雄伝説 Die Neue These』も作られました。
原作小説は、アニメでは描かれない人物の心の中や、ヤンの皮肉の効いた語り口まで味わえます。
\ 銀英伝の物語を1巻から /
ヤン・ウェンリーの名言
民主主義の側に立ちながら国家を冷静に見つめるヤンの言葉には、皮肉とやさしさが同居しています。
かかっているものは、たかだか国家の存亡だ
原作2巻『野望篇』、アニメではOVA第54話で、クーデターを鎮圧しに向かう部下たちに向けたヤンの言葉です。
「かかっているものは、たかだか国家の存亡だ」に続けて、「個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない」と語ります。
国のために個人が犠牲になるのではなく、個人の自由を守るためにこそ国があるという、ヤンの考え方がもっともよく表れた言葉です。
政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない
同じ原作2巻『野望篇』で、クーデター勢力から降伏を求められたときのヤンの返答です。
政治家個人の不正よりも、その不正を批判できなくなることこそが本当の腐敗だと語り、言論の自由の大切さを訴えています。
要するに私の希望は、たかだかこの先数十年の平和なんだ
OVA第6話で、何のために戦うのかとシェーンコップに問われたヤンの答えです。
永遠の平和という大きな理想ではなく、自分たちが生きる間の平和を守りたいという、現実的なヤンらしい言葉です。
OVA版の本伝と外伝、『Die Neue These』は、DMM TVで配信されています。
ヤンとラインハルトの言葉は、2人の歩みを通して見ると重みがいっそう増します。
配信状況や料金は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。
\ ヤンとラインハルトの戦いを映像で /
ラインハルトの名言
銀河帝国の「常勝の天才」ラインハルトの言葉には、自分の才能への自信と、覇者としての覚悟がにじみます。
星はいい
OVA第1話で、アスターテ会戦を前に、艦橋から星を見つめてキルヒアイスに語りかける言葉です。
何事にも動じずに同じ場所で瞬き続ける星への憧れが込められていて、戦いに向かう若き天才の静かな一面が見える場面です。
実力のない覇者が打倒されるのは当然のことだからな
OVA第26話で、ロイエンタールと話す場面のラインハルトの言葉です。
権力は家柄ではなく実力で得るものであり、実力がなくなれば自分が倒されても当然だと、覇者の論理を自分自身にも向けています。
運命などにおれの人生を左右されてたまるか
ラインハルトの名言として広く紹介されている言葉ですが、原作の何巻のどの場面かは確かめられませんでした。
引用するときは、出典がはっきりしない言葉であることを知っておくと安心です。
ほかのアニメの名言もあわせて読みたい方は、アニメの名言を解説した記事も読んでみてください。
キルヒアイスとオーベルシュタインの名言
ラインハルトを支えた2人の言葉は、対照的な生き方を映し出しています。
ラインハルト様…宇宙を手にお入れください(キルヒアイス)
OVA第26話『さらば、遠き日』で、ラインハルトを狙った銃弾から身を挺して主君を守ったキルヒアイスの最期の言葉です。
この言葉は、その後のラインハルトにとって、生涯をかけて果たさなければならない約束になりました。
ジークは昔の誓いを守ったと(キルヒアイス)
同じ場面で、ラインハルトの姉アンネローゼへの伝言として残した言葉です。
幼い日にアンネローゼと交わした「ラインハルトを守る」という約束を、最後まで守り抜いたことを伝えています。
光には影がつき従う(オーベルシュタイン)
OVA第26話で、キルヒアイスを失った後にオーベルシュタインが語る言葉です。
権力を持つ者を光、それを支える者を影にたとえ、ナンバー2を置かない体制を目指す冷徹な考え方が表れています。
助からぬものを助けるふりをするのは、偽善である(オーベルシュタイン)
原作10巻『落日篇』で、テロに巻き込まれて重傷を負ったオーベルシュタインが、治療を断るときの最期の言葉です。
無駄なことに人手を使うべきではないという合理主義を、自分の命にまで当てはめた、最後まで彼らしい言葉です。
シェーンコップの名言
ヤンの部下シェーンコップは、皮肉の効いた言葉でヤンの本音を引き出す役回りです。
ルドルフ大帝以来の詭弁家ですな
OVA第6話で、平和について語るヤンに対して、シェーンコップが皮肉を込めて返した言葉です。
独裁者ルドルフと並べてからかいながらも、ヤンという人物への興味と信頼が芽生えていく場面です。
民衆の多数が民主主義でなく独裁をのぞんだとしたら
OVA第46話で、シェーンコップがヤンに投げかけた問いです。
多数決で独裁が選ばれたら民主主義はどうなるのかという、作品全体を貫く難しいテーマを突いた言葉です。
原作と違う形で広まった銀英伝の名言
銀英伝の名言は、引用されるうちに表記や言い回しが少しずつ変わって広まっています。
「懸かっているのは」「大した価値」は原作の表記と違う
ヤンの「たかだか国家の存亡だ」は、ネットでは「懸かっているのは」「大した価値のあるものじゃない」と漢字で書かれることがありますが、原作ではひらがなの「かかっているものは」「たいした価値」です。
「国家の存亡がかかっている」と語順を変えた形も見られるので、引用するときは原作の文を確かめるのがおすすめです。
銀河英雄伝説の名言に関するよくある質問
ヤンの「たかだか国家の存亡だ」は何巻ですか?
原作2巻『野望篇』で、アニメではOVA第54話です。
キルヒアイスの最期の言葉は何ですか?
OVA第26話の「ラインハルト様…宇宙を手にお入れください」です。
オーベルシュタインの最期の言葉は?
原作10巻『落日篇』の「助からぬものを助けるふりをするのは、偽善である」です。
銀河英雄伝説のアニメはどこで見られますか?
DMM TVで、OVA版と『Die Neue These』が配信されています。
銀河英雄伝説の名言まとめ
銀河英雄伝説の名言は台詞だけを並べるより、発言者・原作の巻やアニメの話数・場面・前後の背景まで確認すると、キャラクターの信念と物語上の意味をより深く理解できます。
ヤンの言葉からは個人の自由を何より大切にする姿勢が、ラインハルトたちの言葉からは覇道を歩む者の覚悟が伝わってきます。
「懸かっている」のように、表記が変わって広まった言葉もあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、「かかっているものは、たかだか国家の存亡だ」です。
気になった名言は、原作やアニメの場面に戻って前後の物語ごと味わってみてください。