ギャンブルの名言には、ワシントンが1783年に甥への手紙でギャンブルを「強欲の子」と戒めたように、出典のはっきりした偉人の言葉があります。
ただ、ギャンブルの名言として広まっている言葉には、偉人の言葉とされながら本人の発言の記録が見つからないものや、もとの言葉と違う形で伝わっているものも混ざっています。
ギャンブルの名言は、言葉だけでなく、誰がどんな手紙や本でどんな思いを込めて語った言葉かまで確かめると、のめり込む怖さと、やめる決意を支える力の両方がよく伝わります。
この記事では、ギャンブルをやめたいときに響く偉人の言葉、勝負についての名言、漫画の名セリフを出典つきで紹介し、誤って広まった名言や、困ったときの相談先まで解説します。
この記事のポイント
- ワシントンは1783年の甥への手紙で、ギャンブルを「強欲の子」と強く戒めた
- 「人生はギャンブルだ」は、特定の偉人の名言として確かめられる言葉ではない
- 菊池寛の「絶対使っちゃいけない金に手を付けてから」は、出典が見つかっていない
- やめたいのにやめられないときは、消費者ホットライン188などの公的な窓口に相談できる
ギャンブルの名言一覧
この記事で紹介する主な言葉を、発言者と出典つきで一覧にします。
| 言葉 | 発言者 | 出典 |
|---|---|---|
| 強欲の子、不正の兄弟、災いの父 | ジョージ・ワシントン | 甥への手紙(1783年) |
| 裕福になりたければ、稼ぐことだけでなく蓄えることも考えよ | ベンジャミン・フランクリン | 『富に至る道』(1758年) |
| 運がいいうちに引き上げよ | バルタサル・グラシアン | 箴言集『The Art of Worldly Wisdom』(1647年) |
| 九勝六敗を狙え | 色川武大(阿佐田哲也) | 博打についてのエッセイ |
| 勝たなきゃゴミ | 利根川幸雄 | 漫画『賭博黙示録カイジ』 |
ギャンブルをやめたいときに響く名言
「ギャンブル やめる 名言」と検索されるように、ギャンブルから離れたいときに支えになる言葉を、歴史上の人物たちが残しています。
強欲の子、不正の兄弟、災いの父(ワシントン)
アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが、1783年1月に甥のブッシュロッド・ワシントンにあてた手紙で、ギャンブルを戒めた言葉です。
手紙では、ギャンブルはあらゆる悪を生む悪習で、多くの立派な家族を破滅させてきた、と続き、若い甥に近づかないよう強く忠告しています。
裕福になりたければ、稼ぐことだけでなく蓄えることも考えよ(フランクリン)
アメリカ建国の父のひとりベンジャミン・フランクリンが、1758年の『富に至る道(The Way to Wealth)』に書いた言葉で、原文は「If you would be wealthy, think of saving as well as of getting.」です(参考:Project Gutenberg『The Way to Wealth』)。
一度に大きく稼ごうとするより、手元のお金を守って少しずつ蓄えることが豊かさへの道だ、という考え方で、ギャンブルで取り返そうとする気持ちにブレーキをかけてくれます。
運がいいうちに引き上げよ(グラシアン)
17世紀スペインの思想家バルタサル・グラシアンが、1647年の箴言集(英訳『The Art of Worldly Wisdom』)で、勝負の引き際について語った言葉で、優れた勝負師はみなそうしている、と続きます。
勝っているときほど、まだいけると思ってやめられなくなるものですが、その気持ちこそが負けにつながる、という教えです。
ギャンブルをやめたい人や、家族ののめり込みに悩む人が、依存症の仕組みと回復への道を知るなら、ギャンブル依存症についての本がおすすめです。
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「人生はギャンブル」と勝負についての名言
「人生はギャンブル 名言」と検索されるように、勝負や人生の不確かさを語った言葉にも人気があります。
「人生はギャンブルだ」は誰の言葉か
「人生はギャンブルだ」は、名言集で偉人の言葉として紹介されることがありますが、特定の人物が最初に言ったと確かめられる記録は見つかっていません。
先のわからない人生を賭けにたとえる言い方は昔から広く使われてきたもので、誰か一人の名言というより、よく使われる言い回しと考えるのが正確です。
九勝六敗を狙え(色川武大)
作家の色川武大さんが、雀士・阿佐田哲也としての博打の経験をもとに語った考え方で、ちくま文庫『色川武大・阿佐田哲也エッセイズ1 放浪』にも「九勝六敗を狙え」の章があります。
全勝を狙うと無理が出て大きく負け、ほどほどの勝ち越しを続ける人が結局は強い、という考え方で、ギャンブルに限らず人生の勝負の心構えとして読まれています。
ドストエフスキーと小説『賭博者』
ロシアの文豪ドストエフスキーは、自身もルーレットにのめり込んだ経験があり、その体験は1866年の小説『賭博者』に生々しく描かれています。
やめようと思ってもやめられない主人公の姿は、ギャンブルの怖さを伝える物語として今も読み継がれています。
漫画のギャンブルの名セリフ
「ギャンブラー 名言」と検索されるように、ギャンブルを描いた漫画の名セリフにも人気があります。
勝たなきゃゴミ(カイジ)
福本伸行さんの漫画『賭博黙示録カイジ』で、利根川幸雄が限定ジャンケンに挑む参加者たちに向けて語る演説の中の言葉です。
負けた理由をいくら並べても結果は変わらない、という冷たい現実を突きつける言葉で、ギャンブルで負けを取り返そうとする危うさも伝わってきます。
カイジのほかの名セリフは、カイジの名言を解説した記事で紹介しています。
ギャンブルの名言として誤って広まった例
ギャンブルの名言として紹介される言葉の中には、発言者や文言が正しく伝わっていないものもあります。
菊池寛の「絶対使っちゃいけない金に手を付けてからが本当の勝負」
競馬好きで馬主でもあった作家・菊池寛の言葉としてよく紹介されますが、菊池寛の著作や発言の中に、この言葉の出典は見つかっていません。
破滅的な勝負師のイメージに合う言葉として、後から菊池寛の名前と結びつけられて広まったと考えられます。
「ギャンブルは貪欲の息子であり、絶望の父です」
ワシントンの言葉として紹介されることがありますが、英語の「Gambling is the son of avarice and the father of despair.」は、フランスのことわざとして伝わる言葉です。
ワシントン本人の手紙の言葉は、先に紹介した「強欲の子、不正の兄弟、災いの父」で、2つの言葉が混ざって伝わったと考えられます。
ギャンブルの英語の格言
英語には、ギャンブルについての短い格言がいくつもあります。
Quit while you're ahead.
「勝っているうちにやめろ」という意味で、ギャンブルに限らず、うまくいっているうちに手を引くことの大切さを伝える決まり文句です。
Never bet more than you can afford to lose.
「失っても困らない額以上は賭けるな」という意味で、生活に必要なお金には絶対に手をつけない、という大原則を表しています。
ギャンブルをやめたいときの相談先
やめたいのにやめられない、借金が増えてしまった、というときは、一人で抱え込まずに専門の窓口に相談することが大切です。
公的な相談窓口
消費者庁は、ギャンブル等依存症で困っている人や家族に向けて、消費者ホットライン188や、各地の精神保健福祉センターなどの相談先を案内しています(参考:消費者庁「ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ」)。
同じ悩みを持つ人どうしが支え合う自助グループもあり、名言で生まれた「やめよう」という気持ちを、具体的な一歩につなげることができます。
パチンコの名言は、パチンコの名言を紹介した記事で取り上げています。
ギャンブルの名言に関するよくある質問
ギャンブルをやめたいときに響く名言は?
ワシントンが甥への手紙でギャンブルを戒めた「強欲の子、不正の兄弟、災いの父」や、グラシアンの「運がいいうちに引き上げよ」がよく挙げられます。
「人生はギャンブル」は誰の名言ですか?
特定の人物の言葉として確かめられる記録はなく、昔から使われてきた言い回しと考えられます。
ギャンブルの偉人の名言は?
ワシントン、フランクリン、グラシアンなどが、ギャンブルやお金についての言葉を残しています。
ギャンブルがやめられないときはどこに相談できますか?
消費者ホットライン188や、各都道府県の精神保健福祉センターなどの公的な窓口に相談できます。
ギャンブルの名言まとめ
ギャンブルの名言は、言葉だけでなく、誰がどんな手紙や本でどんな思いを込めて語った言葉かまで確かめると、のめり込む怖さと、やめる決意を支える力の両方がよく伝わります。
ワシントンやフランクリンの言葉には、目先の勝ち負けより、生活と家族を守ることの大切さが込められています。
一方で、菊池寛の言葉とされるもののように、出典が確かめられないまま広まった名言もあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、「運がいいうちに引き上げよ」です。
やめたいのにやめられないと感じたら、名言を心の支えにしながら、ためらわずに相談窓口を頼ってください。