「おれのうしろに立つな」や、「10%の才能と20%の努力」で始まるプロの条件は、ゴルゴ13の名言として知られています。
ただ、ゴルゴ13の名言として広まっている言葉には、収録巻の数字が違って伝わっていたり、前半が省かれて意味が変わったりしているものもあります。
ゴルゴ13の名言は、台詞だけでなく、単行本の巻数とエピソード、依頼人との駆け引きの場面まで確かめると、デューク東郷が守り続けるプロの流儀が正しく伝わります。
さいとう・たかをさんの劇画『ゴルゴ13』の名言には、リイド社のSPコミックスの巻数とエピソードをそえ、ゴルゴのルールや、ビジネスで引用される理由、誤って広まった出典も取り上げています。
この記事のポイント
- 「想像も、推察も仮定もない」は、SPコミックス4巻『査察シースルー』の台詞
- 「10%の才能」の言葉は、63巻と紹介されることが多いが66巻の収録とされる
- 「未熟な者に“いつか”は訪れない」は、前半を省くと意味が変わる
- ゴルゴ13は、最も発行巻数が多い単一漫画シリーズとしてギネス世界記録に認定
ゴルゴ13の名言一覧
この記事で紹介する主な名言を、SPコミックスの巻数とエピソードつきで一覧にします。
| 名言 | 巻 | エピソード |
|---|---|---|
| おれのうしろに音もたてずに立つようなまねをするな | 1巻 | ビッグ・セイフ作戦 |
| おれには想像も、推察も仮定もない……あるのは事実だけだ…… | 4巻 | 査察シースルー |
| 結論だけを話してくれ…… | 5巻 | 殺意の交差 |
| チャンスは……一度で……いい! | 21巻 | 統計解析射撃 |
| おれが、うさぎのように臆病だからだ | 28巻 | ザ・スーパースター |
| 10%の才能と20%の努力…… | 66巻 | ロックフォードの野望 謀略の死角 |
ゴルゴ13とは
『ゴルゴ13』は、さいとう・たかをさんが1968年から小学館の『ビッグコミック』で連載している劇画で、超一流のスナイパー、デューク東郷(ゴルゴ13)が世界中の依頼をこなす物語です。
リイド社のSPコミックスは200巻を超え、2021年に201巻が出た時点で「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されました(参考:ゴルゴ13公式特設サイト)。
作者のさいとうさんは、脚本や作画、背景などを専門のスタッフが分担する分業制を早くから取り入れ、長い連載を支えてきました。
2021年にさいとうさんが亡くなったあとも、作者の遺志を受け継いださいとう・プロダクションが、分業制で新しいエピソードを描き続けています。
リイド社が出している名言集『THE WORD OF ゴルゴ13』のシリーズでは、名言をエピソードごとに読めます。
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プロの判断を表す名言
ゴルゴの言葉には、感情や思い込みを捨て、事実だけで判断するプロの姿勢が表れています。
おれには想像も、推察も仮定もない……あるのは事実だけだ……
SPコミックス4巻『査察シースルー』の台詞で、推測を交えずに事実だけを見るゴルゴの考え方を表しています。
希望的な見方や根拠のない推測を判断から外す姿勢は、ビジネスの意思決定にも通じるとして、よく引用されます。
結論だけを話してくれ……
SPコミックス5巻『殺意の交差』で、長い前置きを話し始めた依頼人に、ゴルゴが要点だけを求める台詞です。
余計な情報に惑わされず、必要なことだけを聞くという、ゴルゴの仕事の進め方がひと言で伝わります。
チャンスは……一度で……いい!
SPコミックス21巻『統計解析射撃』で、4日間の拷問に耐え抜いたゴルゴが、敵のわずかな隙をついて反撃に転じる場面の台詞です。
何度も機会を待つのではなく、ただ一度の機会を確実にものにするという、超一流の自信と集中力が込められています。
誇りは気高いが、過剰になれば傲慢だ…
SPコミックス94巻『誇り高き葡萄酒』で、ごう慢な依頼人から出された年代物のワインを飲んだゴルゴが、苦言を呈する場面の台詞で、それは苦々しいだけだ、と続きます。
誇りを持つことは大切でも、行き過ぎれば人を見下すごう慢さに変わるという戒めで、仕事の誇りとの向き合い方を考えさせられる言葉です。
生き残るための名言
ゴルゴが長く生き延びている理由は、腕の良さだけでなく、自分を過信しない用心深さにあります。
10%の才能と20%の努力……そして、30%の臆病さ……残る40%は……“運”だろう……な……
一流のプロと言われる条件を依頼人に聞かれたゴルゴが答える言葉で、SPコミックス66巻の『ロックフォードの野望 謀略の死角』に収録されているとされます。
ネットでは63巻の台詞として紹介されることが多いですが、まとめサイトの間で写し合われるうちに広まった誤りと考えられます。
才能や努力よりも、臆病さと運が大きな割合を占めるという答えに、ゴルゴらしい現実的な考え方が表れています。
おれが、うさぎのように臆病だからだ
SPコミックス28巻『ザ・スーパースター』で、銃を向けられても顔色ひとつ変えなかったのに、足音にはなぜ飛び上がったのかと聞かれて答える台詞で、臆病のせいでこうして生きている、と続きます。
危険に敏感であることこそが生き残る力になるという考えで、リスク管理の大切さを語る言葉としても知られています。
普通の世界なら未熟は恥じることではない…だが、俺たちの世界では、未熟な者に“いつか”は決して訪れない…
SPコミックス147巻『三人の狙撃手』で、経験を積めばいつかは、と語る未熟な兵士にゴルゴが返す言葉です。
ネットでは後半だけが紹介されがちですが、前半の「普通の世界なら未熟は恥じることではない」があることで、命がけの世界の厳しさとの対比がはっきりします。
ゴルゴ13のルールと名言
ゴルゴは、自分の身と仕事を守るために、いくつもの厳しいルールを守っています。
おれのうしろに音もたてずに立つようなまねをするな
SPコミックス1巻の最初のエピソード『ビッグ・セイフ作戦』から描かれている、ゴルゴの代表的なルールを表す台詞です。
背後という最大の死角に立たれることを本能的に嫌い、背後に立った相手は、悪気がなくても思わず殴り倒してしまいます。
プロは二重に仕事をひきうけないことだ……
情報屋が、敵の側にも同じ情報を売っていたことを見抜いたゴルゴの言葉で、リイド社の名言集の題名にも使われています。
依頼人が嘘をついたり、ゴルゴを裏切ったりすれば、その依頼人自身が標的になるという、契約に対する厳しさを表しています。
利き腕を他人に預けないために、握手をしないというルールもよく知られています。
仕事と挑戦に響く漫画の言葉は、宇宙兄弟の名言を解説した記事でも紹介しています。
ゴルゴ13がビジネスで引用される理由
ゴルゴ13は、仕事の進め方の手本として、ビジネス書でもたびたび取り上げられています。
事実だけで判断する姿勢、最悪の事態に備える臆病さ、依頼を受けたら必ずやり遂げ、利益相反になる仕事は引き受けない姿勢が、プロの働き方として評価されているためです。
元外務省主任分析官の佐藤優さんとの共著『ゴルゴ13×佐藤優 Gのインテリジェンス』のように、情報分析の視点からゴルゴを読み解いた本も出ています。
ゴルゴ13の名言に関するよくある質問
「10%の才能と20%の努力」は何巻ですか?
SPコミックス66巻の『ロックフォードの野望 謀略の死角』に収録されているとされます。
「おれのうしろに立つな」は何巻の台詞ですか?
SPコミックス1巻の『ビッグ・セイフ作戦』から、背後に立たれるのを嫌うゴルゴが描かれています。
ゴルゴ13は何巻まで出ていますか?
SPコミックスは200巻を超え、最も発行巻数が多い単一漫画シリーズとしてギネス世界記録に認定されています。
ゴルゴ13がビジネスで人気なのはなぜですか?
事実だけで判断し、最悪の事態に備え、引き受けた仕事を必ずやり遂げる姿勢が、プロの働き方として評価されているためです。
ゴルゴ13の名言まとめ
ゴルゴ13の名言は、台詞だけでなく、単行本の巻数とエピソード、依頼人との駆け引きの場面まで確かめると、デューク東郷が守り続けるプロの流儀が正しく伝わります。
事実だけを見る冷静さ、臆病さを生き残る力に変える用心深さ、契約を守り抜く厳しさは、仕事に向き合う姿勢としても多くの人に響いています。
一方で、収録巻が違って伝わったり、前半が省かれたりして広まった名言もあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、「おれには想像も、推察も仮定もない……あるのは事実だけだ……」です。
気になった名言は、単行本のエピソードに戻って前後の物語ごと味わってみてください。