マッコイ爺さんの「死んでいったやつの魂だけは」や、グレッグの最期の言葉は、エリア88の名言として知られています。
ただ、エリア88の名言として広まっている台詞には、発言した人物が入れ替わって伝わっているものや、最期の台詞ではないのに最期の言葉として紹介されているものも混ざっています。
エリア88の名言は、台詞だけでなく、誰がどんな戦いのどんな場面で言った言葉かまで確かめると、空でしか生きられない傭兵たちの誇りと悲しみがより深く伝わります。
新谷かおるさんの漫画『エリア88』の名セリフは、マッコイ爺さん・グレッグ・ミッキー・シンの人物別に場面をそえ、エリア88ポエムや最終回、誤って広まった台詞も取り上げています。
この記事のポイント
- マッコイ爺さんの「台帳にのってない仕入れ不可能なもの」は、死んだ仲間の魂を語った名言
- グレッグは、泣いている女の子を銃弾からかばって命を落とした
- 「これで殺し合いさえなけりゃァな」はミッキーの名言だが、最期の台詞ではない
- 「外泊証明書」は、原作では「外泊許可書」として登場する
エリア88の名言一覧
この記事で紹介する主な台詞を、発言者と場面つきで一覧にします。
| 台詞 | 発言者 | 場面 |
|---|---|---|
| 台帳にのってない仕入れ不可能なものが一つだけあった | マッコイ | 死んでいった傭兵たちを思って |
| 命をそまつにするのはおれたちだけでたくさんだ | グレッグ | 若い正規兵を諭して |
| 大丈夫さ。オジちゃんは強いんだ | グレッグ | 女の子をかばった最期 |
| 死ぬことも契約のうちだ | ミッキー | 傭兵の信念を語って |
| あばよ、88… 世話になったな… | ミッキー | 最期の出撃 |
| 普通に生きて… 普通に死ぬためにここに来たのさ | 風間真 | 前線に戻って |
エリア88とは
『エリア88』は、新谷かおるさんが小学館の『少年ビッグコミック』で1979年から1986年まで連載した漫画で、単行本は全23巻、第30回(1984年度)の小学館漫画賞を受賞しています(参考:マンガペディア「エリア88」)。
パイロットを目指していた風間真(シン)が、親友の神崎悟に裏切られて中東の小国アスランの外人部隊に入れられ、砂漠の基地「エリア88」で戦闘機に乗る傭兵として生きる物語です。
基地を指揮するのは、アスラン空軍のエリートで、反乱軍を率いるアブダエルの長男でもあるサキ・ヴァシュタールです。
1985年にはOVA、2004年にはテレビアニメが作られ、戦闘機の細かな描写と傭兵たちの人間ドラマが、今も多くのファンに語り継がれています。
名セリフを前後の場面ごと味わうなら、手に取りやすい文庫版の原作がおすすめです。
\ シンが外人部隊に入る始まりから読むなら /
マッコイ爺さんの名言
「マッコイ爺さん 名言」と検索されるほど、武器商人マッコイの言葉には根強い人気があります。
台帳にのってない仕入れ不可能なものが一つだけあった……死んでいったやつの魂……だけは……な……
エリア88に武器や弾薬を売る商人マッコイが、死んでいった傭兵たちを思って口にする言葉です。
金さえ払えば何でも手に入れてくる商人が、どうしても仕入れられないものとして仲間の魂を挙げることで、命の重さが静かに伝わる、作品屈指の名場面です。
金さえ出すならクレムリン宮殿だって持ってきてやる
自分の調達力を誇るマッコイらしい言葉で、ふだんはお金にしか興味がないように見える死の商人の顔を表しています。
この言葉があるからこそ、魂だけは仕入れられないという台詞が、よりいっそう重く響きます。
グレッグの名言と最期
「エリア88 グレッグ 名言」と検索されるように、デンマーク空軍出身の傭兵グレッグ・ゲイツの言葉も多くの読者の心に残っています。
命をそまつにするのはおれたちだけでたくさんだ
国を立て直していく若い正規兵たちに、無駄に命を捨てるなと諭すグレッグの言葉です。
帰る国を持たない傭兵だからこそ、危険は自分たちが引き受ける、という豪快なグレッグらしいやさしさが込められています。
大丈夫さ。オジちゃんは強いんだ
撃墜されたあと地上を帰る途中で、泣いている女の子を銃弾からかばって傷を負ったグレッグが、おじちゃん痛い?と聞く女の子に返した言葉として知られています。
ふだんは血の気の多いグレッグが最期に見せたやさしさは、エリア88の中でも特に泣ける場面として語り継がれています。
ミッキーとシンの名言
「エリア88 ミッキー 名言」と検索されるように、シンの相棒ミッキー・サイモンや、主人公シンの言葉にも人気があります。
死ぬことも契約のうちだ(ミッキー)
ベトナム帰還兵で、平和な社会になじめずに戦場へ戻ってきたミッキーが、傭兵としての覚悟を語る言葉です。
戦う理由を契約という乾いた言葉で語りながら、その裏に空への愛と誇りを持ち続けたミッキーらしい台詞です。
あばよ、88… 世話になったな…(ミッキー)
最期の出撃に向かうミッキーが口にする言葉として知られ、ここらが死に時だ、という覚悟が続きます。
名言集では「これで殺し合いさえなけりゃァな…おれはどんな空だって好きになれる」がミッキーの最期の台詞として紹介されることがありますが、これは空への愛を語った別の場面の名言です。
普通に生きて… 普通に死ぬためにここに来たのさ(シン)
一度は日本に戻ったシンが、再び前線に戻ったあとに語る言葉です。
戦場を知ってしまった自分は、もう平和な場所では普通に生きられない、という悲しい覚悟がにじむ台詞です。
戦場を描いたほかの作品の名言は、銀河英雄伝説の名言を解説した記事で紹介しています。
エリア88ポエムと「地獄の一丁目」
「エリア88 ポエム」と検索されるように、作品の章の扉などに添えられた詩のような文章にもファンが多くいます。
エリア88ポエムとは
「おれたちは死線の上の綱渡り」のように、戦場で生きる傭兵たちの無常や孤独を、詩のような短い言葉で描いた文章で、作品の退廃的な雰囲気を生み出しています。
天使や翼のようなやさしい言葉と、鋼鉄や弾丸のような冷たい言葉の対比が、新谷かおるさんならではの世界観を伝えています。
「地獄の一丁目」と「外泊許可書」
「ここはエリア88 地獄の一丁目」は、基地の過酷さを表す言葉として広く知られていますが、原作で誰がどの場面で言った台詞かははっきりしていません。
「エリア88 外泊証明書」と検索されることもありますが、原作の最後のほうに登場するのは「外泊許可書」で、生きて地獄から出ていくことを象徴する言葉として描かれています。
エリア88の最終回がひどいと言われる理由
エリア88の最終回は、今も読者の間で賛否が分かれています。
シンが記憶を失って日本へ帰る結末
最終回でシンは神崎との戦いに勝って生き残りますが、アスランで戦った日々の記憶をすべて失い、恋人の涼子に付き添われて日本へ帰ります。
多くの仲間が命を落とした長い戦いの記憶が消えてしまうことに、救いがないと感じた読者がいる一方で、地獄から解放されたシンへの救いだと受け取る読者もいます。
誤って広まった台詞
「どうせ死ぬなら空で死にたいぜ!」は、主人公たちの名言として紹介されることがありますが、もとは傭兵のグエンの言葉として紹介されることが多く、発言者がはっきりしないまま広まっています。
エリア88の名言に関するよくある質問
マッコイ爺さんの名言は?
「台帳にのってない仕入れ不可能なものが一つだけあった……死んでいったやつの魂……だけは……な……」が最もよく知られています。
グレッグの最期はどんな場面ですか?
撃墜されたあと地上を帰る途中で、泣いている女の子を銃弾からかばって命を落とします。
ミッキーの最期の台詞は?
最期の出撃に向かう場面の「あばよ、88… 世話になったな…」として知られています。
エリア88の最終回はどうなりますか?
シンは生き残りますが、アスランでの戦いの記憶をすべて失い、涼子と日本へ帰ります。
エリア88の名言まとめ
エリア88の名言は、台詞だけでなく、誰がどんな戦いのどんな場面で言った言葉かまで確かめると、空でしか生きられない傭兵たちの誇りと悲しみがより深く伝わります。
マッコイ爺さんの「死んでいったやつの魂だけは」や、グレッグの「オジちゃんは強いんだ」には、戦場で生きる人たちの命への思いが込められています。
一方で、発言者が入れ替わったり、別の場面の台詞が最期の言葉として広まったりしている例もあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、マッコイ爺さんの「死んでいったやつの魂……だけは……な……」です。
気になった台詞は、原作の場面に戻って、前後の物語ごと味わってみてください。