「ぼくの顔をお食べ」や「元気100倍アンパンマン!」は、アンパンマンの名言として知られています。
ただ、アンパンマンの名言として広まっている言葉には、作品や作者の著書で確かめられないものも混ざっています。
アンパンマンの名言は台詞だけを並べるより、作品や絵本の場面と、やなせたかしが込めた正義や愛の考えまで確認すると、言葉の意味をより深く理解できます。
取り上げるのは、アニメや絵本の定番の台詞と、作者やなせたかしの著書に残る「愛」と「正義」の言葉で、どれにも出典と背景をそえています。
この記事のポイント
- 「ぼくの顔をお食べ」は1973年の絵本から続く台詞
- 愛と正義の言葉の多くは、やなせたかしの著書に残っている
- アンパンマンの正義には、作者の戦争体験が深く関わっている
- 「ぼくの強さは、ぼくだけのものじゃない」は出典を確かめられない
アンパンマンの名言一覧
この記事で紹介する主な名言を、発言者と出典つきで一覧にします。
| 名言 | 発言者 | 出典 |
|---|---|---|
| ぼくの顔をお食べ | アンパンマン | 絵本『あんぱんまん』(1973年)ほか |
| 元気100倍、アンパンマン! | アンパンマン | アニメ第1話(1988年)ほか |
| 愛にはいさましさが含まれていて、勇気にはやさしさ | やなせたかし | 『わたしが正義について語るなら』 |
| 逆転しない正義は献身と愛 | やなせたかし | 『アンパンマンの遺書』(1995年) |
| 人生はよろこばせごっこ | やなせたかし | 『明日をひらく言葉』(2012年) |
| 一寸先は光 | やなせたかし | 『絶望の隣は希望です!』(2011年) |
アンパンマンとやなせたかし
アンパンマンの作者やなせたかしは、1919年に生まれた漫画家・絵本作家です(参考:アンパンマン公式サイト)。
アンパンマンは、1969年に雑誌『PHP』に載った大人向けの物語から生まれ、1973年にフレーベル館から絵本『あんぱんまん』として出版されました。
1988年に日本テレビ系でアニメ『それいけ!アンパンマン』が始まると、子どもたちの人気者になり、今も放送が続いています。
自伝の『アンパンマンの遺書』には、やなせたかしの正義と愛の考えが書かれています。
\ 作者が語るアンパンマン誕生の物語 /
アンパンマンの定番のセリフ
アニメや絵本でくり返し聞く台詞には、アンパンマンというヒーローの特徴がそのまま表れています。
ぼくの顔をお食べ
おなかをすかせた人を見つけたアンパンマンが、自分の顔をちぎって分けてあげるときの言葉で、1973年の絵本やアニメの第1話から描かれています。
顔を分けると力が弱くなってしまうのに、目の前で困っている人を放っておかない、アンパンマンの生き方を象徴する言葉です。
元気100倍、アンパンマン!
顔がぬれたり汚れたりして力が出なくなったとき、ジャムおじさんたちに新しい顔を焼いてもらって復活する場面の決め台詞です。
アニメの第1話から登場し、子どもたちがまねをする、最もよく知られたアンパンマンの言葉の一つです。
ハ~ヒフ~ヘホ~!(ばいきんまん)
ライバルのばいきんまんが登場するときや、悪だくみがうまくいったときに上げる笑い声です。
やっつけられると「バイバイキーン!」と叫んで飛んでいく姿も定番で、にくめない悪役として長く愛されています。
わたしはお客さまなんだから、言うこと聞いて(ドキンちゃん)
アニメ第13話で初めて登場したドキンちゃんが、ばいきんまんにわがままを言う場面の台詞です。
自分勝手なのにどこか憎めないドキンちゃんの性格がよく表れていて、善と悪にきっちり分けられない、作品の奥行きを感じさせるキャラクターです。
DMM TVでは、テレビシリーズは配信されていませんが、アンパンマンの劇場版が多く配信されています。
配信状況や料金は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。
\ アンパンマンの映画を親子で /
アンパンマンの名言にある「愛」
「アンパンマン 名言 愛」で探す人が多いように、アンパンマンの物語の中心には「愛」と「勇気」があります。
愛にはいさましさが含まれていて、勇気にはやさしさ(やなせたかし)
やなせたかしが著書『わたしが正義について語るなら』で、正義を行うときの心構えとして語った言葉です。
やさしいだけでは人を助けられず、強いだけでは人を傷つけてしまうので、愛と勇気はいつも組み合わさっていなければならないという考え方です。
戦うときは友達をまきこんではいけない(やなせたかし)
同じ本で、戦争で亡くなった弟のことを振り返りながら語った言葉です。
主題歌でも歌われているように、アンパンマンは仲間を危険にさらさず一人で傷つきながら戦うヒーローで、その背景にはこの考えがあります。
アンパンマンのマーチ
1988年のアニメ開始とともに生まれた主題歌で、作詞はやなせたかし本人です。
何のために生まれ、何をして生きるのかという問いと、傷ついても誰かのために戦うヒーローの姿が歌われていて、大人になってから聞いて胸を打たれる人も多い曲です。
やなせたかしの「正義」の名言
アンパンマンの正義は、作者やなせたかしの戦争体験から生まれています。
正義はある日突然逆転する。逆転しない正義は献身と愛
1995年の自伝『アンパンマンの遺書』に出てくる言葉です。
戦争中に正しいと信じていたことが、戦争が終わると間違いとされた経験から、どんな時代でも変わらない正義は、困っている人に食べ物を分けることだと考えるようになりました。
本当の正義の味方は、飢えた子どもにパンを与える人
アンパンマンの正義をあらわす言葉として広く知られ、やなせたかしが著書の中でくり返し語ってきた考えを短くまとめたものです。
戦地で飢えのつらさを身をもって知ったやなせたかしにとって、正義とは悪をやっつけることより、目の前の空腹を救うことでした。
捨て身、献身の心なくして、正義は決して行えない
2012年の『明日をひらく言葉』に収められた言葉です。
正義を行う人は自分も傷つくことを覚悟しなければならないという考えで、顔を分けて弱ってしまうアンパンマンの姿そのものです。
ほかのアニメの名言もあわせて読みたい方は、アニメの名言を解説した記事も読んでみてください。
やなせたかしの生き方の名言
90歳を過ぎても描き続けたやなせたかしは、人生についても前向きな言葉を残しています。
人生はよろこばせごっこ
『明日をひらく言葉』に出てくる言葉で、何のために生きるのかを考え続けた末にたどり着いた答えです。
「ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい」という言葉とも重なり、人を喜ばせることが自分の喜びになるという考え方です。
一寸先は光
2011年の『絶望の隣は希望です!』で語った言葉で、「一寸先は闇」をひっくり返した表現です。
先のことがわからないなら、暗いほうではなく明るいほうを想像しようという、長い苦労を経たやなせたかしらしい言葉です。
出典を確かめられないアンパンマンの名言
アンパンマンの名言として紹介される言葉の中には、作品や著書で確かめられないものもあります。
「ぼくの強さは、ぼくだけのものじゃないんだよ」「あきらめるもんか!」
どちらもアンパンマンの名言として紹介されることがありますが、どの作品のどの場面の台詞か、確かめることはできませんでした。
仲間と力を合わせて勝つという言葉は、一人で傷つきながら戦うというやなせたかしのヒーロー像とは少し違うので、引用するときは注意が必要です。
アンパンマンの名言に関するよくある質問
アンパンマンの「愛」についての名言は?
やなせたかしの「愛にはいさましさが含まれていて、勇気にはやさしさ」がよく知られています。
「ぼくの顔をお食べ」はいつからある台詞ですか?
1973年の絵本『あんぱんまん』から描かれ、アニメでも第1話から登場します。
やなせたかしの座右の銘のような言葉は?
「人生はよろこばせごっこ」や「一寸先は光」がよく挙げられます。
「ぼくの強さは、ぼくだけのものじゃないんだよ」は本当の台詞ですか?
どの作品の台詞か確かめることができず、出典がはっきりしない言葉です。
アンパンマンの名言まとめ
アンパンマンの名言は台詞だけを並べるより、作品や絵本の場面と、やなせたかしが込めた正義や愛の考えまで確認すると、言葉の意味をより深く理解できます。
顔を分けて弱ってでも人を助けるアンパンマンの姿には、戦争を経験したやなせたかしの「逆転しない正義」が込められています。
一方で、出典を確かめられない言葉が名言として広まっている例もあります。
持ち帰りたい一言を選ぶなら、やなせたかしの「人生はよろこばせごっこ」です。
気になった言葉は、絵本や著書を手に取って、前後の文章ごと味わってみてください。